こんにちは!Webディレクター兼エンジニアののせっち@nosecchi01です。
2019年8月〜、フィリピン・セブでデザイン留学をしています。
2ヶ月目に入りました。
よかった事・悪かった事を両方書いていますので、デザイン留学を検討している方は参考にどうぞ。
1週目の記事はこちら
2週目の記事はこちら
3週目の記事はこちら
4週目の記事はこちら
5週目の記事はこちら
6週目の記事はこちら
学べること:2ヶ月コース
- 5週目:デザインの細部に意識を向け、表現力を磨く
- 6週目:エンドユーザーに対する理解力を深め、最適解に導くプロセスを学ぶ
- 7週目:課題を解決する提案力を身につけ、価値を転換する発想力をつなぐ
7週目を受けてみて
今週のテーマは
課題を解決する提案力を身につけ、価値を転換する発想力をつなぐ
でした。
7週目と8週目は同じテーマで基本的に卒業制作を行います。
卒業制作のテーマ
卒業制作のテーマは、
「国連が定めた2030年までに達成すべき
持続可能な開発目標(SDGs)における
2019年度の日本の課題について、具体的にな改善案をデザインで提案する」
です。
テーマとしてかなり抽象度が高いですね。まず「SDGsってなに?」という感じです。
SDGsとは、「持続可能な社会」を実現するための国際的な課題のことです。
日本SDGs協会
具体的には、貧困、男女平等、海洋汚染などなどで17項目あります。
学べること①:どんなに抽象的概念でも最後はたった一人のために
僕は今回の卒業制作を下記のように解釈しました。
- SDGsは社会全体・地球規模の問題でとても抽象的。
- しかしながら、少しずつ噛み砕いていくことで、最後はたった一人に届けるデザインに落とし込むことが可能である。
「たった一人」というのは、ペルソナのことです。
ペルソナという概念の生みの親である、アラン・クーパーは著書(コンピューター難しすぎて使えない)の中で
一人のためにデザインした方が成功しやすいと語っています。
学べること②:新たにビジネスを作りたい人にオススメ
SDGsという壮大なテーマではありますが、
- 現状の課題を見つけ出し解決策を見つけ出す。
- 解決策の表現・コミュニケーションの手段としてデザインを用いる。
という構成になっているため新たに自分のビジネスやサービスを作りたい人にはオススメの内容です。
ゼロイチをするには他にもケアする課題はたくさんありますが、ビジネスとして成り立たせるには?という視点をもって課題に取り組むといいトレーニングになるはずです。
不満点①:とはいえ抽象的すぎる
上記の通り、どんなに抽象的概念でも噛み砕いて課題を抽出することができるという意図は理解できますが、それにしても抽象的だなあと感じます。
環境問題・男女平等・海洋汚染などなどテーマが壮大すぎるため個人でできる事は限られます。
SDGsをうまく絡めている企業の例として、
- オイシックス:無農薬野菜、添加物フリーの食材を提供。献立に必要な食材をお届け(ミールミット)で食品ロスがおきない。
- スターバックス:コーヒー豆のフェアトレード
- kuradashi.jp:消費期限が迫った商品を格安で販売するサービス
などがありますが、
- 企業活動との因果関係がある
- 予算がある
という感じなので個人でできること、新たなサービスとして低予算で始められる事、となるとできることが限定できる反面、難易度も上がります。
企業によっては、元々のCSR活動に無理矢理SDGsを絡ませている例も多く見られました。
市場経済では解決できない(しにくい)から国際機関が音頭をとっているという背景があるはずなので、テーマとして難しいのは当然です。
不満点②:実案件から遠い
大企業のCSR担当から案件を受注した、とかでない限り、SDGsや社会問題をテーマにデザインをすることは非常に稀でしょう。
僕はWebディレクターとして、企業や個人からの制作案件を請けることを想定しているので、このテーマは僕にとってはとても実案件から遠いのです。
例えば、
イケけてないサイトの改修を依頼されたという想定で制作課題が設定されていれば、
- クライアント・業界・競合などなどのリサーチ
- 顕在的課題・潜在的課題の洗い出し
- デザインで表現
上記のようにスムーズに入れたのではないかと思います。
自分も含め受講者全員が、SDGsについてとSDGsに関係する課題さがしに多くの時間を使ったため、なかなかテーマに対する深掘りや、実際に手を動かす(制作)までたどり着けずもどかしい時間を過ごすことになりました。
卒業制作のメリットデメリットまとめ
メリット
- 抽象的課題を噛み砕いて一人のために届けるサービスにまで落とし込む力を養うことができる
- 新たなビジネス・サービスを生み出す練習になる
デメリット
- 課題が抽象的すぎる
- 実案件に即していない
モンスターラボ(日本)からの特別ゲスト・特別講義
今週は普段の講義とは別で、緊急特別講座が開催されました。
モンスターラボ(日本)から3名のゲストの方が来られ、本来は予定されていなかった講座が急遽組まれた形です。
内容は、
①デザイン→開発におけるコミュニケーションについて
- オフショア制作が中心のモンスターラボにおいて、どのようなツールを使いコミュニケーションを行っているか。
- デザイナーからエンジニアへ、抜け漏れのない情報伝達、修正・変更に強い仕組み化、情報整理
こういう体制ならばデザイナーもエンジニアもストレスなく安心して仕事ができる仕組みになっていました。
②デザインプレゼンテーション
- 実際にデザインコンペを勝ち抜いたプレゼン資料を極秘公開!
- 1週間で150ページにも渡る資料を作り込み、デザインのみならずビジネス領域にまで踏み込んで「パートナーとして」選ばれるコミュニケーション術。
クライアントが気づいていない顕在的課題までしっかり言語化しており、「これはコンペ勝つわ・・・」と思わせる圧倒的プレゼンでした・・・!
そして何より楽しそう!
③UX概論について
- UXという概念の歴史から、UX視点を総まとめ
- デザインに落とし込む前段階で、インタビューや行動観察等を通して、人々の本当のインサイトを知る。
- 潜在的課題まで深掘りし、課題を再構築して提供価値を提案する。
個人的に、、、こんなおじさんになりたい!と思えるような、生き方のかっこいい方でした。
内容全て書ききれないですが、久しぶりにインプット過多でヘトヘトになるくらい盛りだくさんの内容でした!
おまけ:自由参加のロゴコンペ開催
受講生の中で自由参加のロゴコンペが開催されていました。
僕は仕事が忙しく参加しなかったのですが、
一緒に学ぶ仲間と切磋琢磨し、講師からすぐにフィードバックをもらえる環境なので、スキルアップには絶好の機会ですね!
「課題としては一応こなしたけど、自分的には満足していない・・・」
というところは必ず発生するはずなので、再度課題にチャレンジする姿勢は素直に見習いたいです。
コンペ作品を紹介
実際の作品を紹介します。自由参加で今回は3名が参加しました。(一人3作品提案)
実は講師の方も参加しています。
以下がテーマです。
- サービス名:ろけいと
- コンセプト:過程の中に気づきがある
- 旅・田舎・和風・自転車・旅行中の寄り道などをキーワードにロゴ制作
実際の作品がこちら
受講生・講師・モンスターラボセブの日本人の方が投票しました。
(一位:3点、二位:2点、三位:1点で投票)
入賞作品トップ3
第一位:26点
第二位:19点
第三位:7点
まとめ
・7週目からはがっつり卒業制作
・SDGs(持続可能な社会に向けての取り組み課題)がテーマで良くも悪くも超抽象的テーマ
・緊急特別講義で充実のインプット
・受講生側で自発的にロゴコンペ開催